2022.8.21~23 奥穂高岳・ジャンダルム・天狗沢

コロナに負けず奥穂高岳・ジャンダルム・天狗沢へ

期日:2022.8.21~23  堀井栄治
今夏も好天が続かない傾向だが、2~3日間は良さそうなので、大好きなジャンダルムに向かう。涸沢~北穂高~奥穂高~ジャンダルム~岳沢の2泊3日の予定だったのですが。

8月21日 晴れ時々霧のち雨 上高地~横尾~涸沢ヒュッテ
夜行バスで早朝5:20に上高地着、バス代は割高になるが、3列シートでゆっくりできた。登山届を出し、横尾街道を進むが、稜線は霧で残念ながら明神岳は見えない。横尾に着くと、捜対協の人から穂高岳山荘がコロナで今日から休業と知らされる。明日の宿泊予定小屋なので、さてどうしたものかと思案したが、とりあえず今日の予約先の涸沢ヒュッテまで行くこととする。横尾橋を渡った所で山荘から休業の電話がある。本谷橋で冷たい流水を頭から被って休憩、登りに備える。橋からの急登で暑さが戻ってくる。穂高岳山荘が休業の為、涸沢から戻ってくる人もいる。初夏には残雪が残る開けた沢に出るが、この時期には残念ながら雪はない。涸沢小屋への分岐を過ぎるとひと登りで涸沢ヒュッテに、昼前に着く。テラスで休憩しながら明日の行程を考え、槍ヶ岳方面も良いかもと思ったが、今回の目的はジャンダルムなので、明日ヒュッテからジャンに向かうこととする。一日で上高地まで抜けるのはきついかと思い、岳沢小屋に電話、幸い宿泊予約が取れた。お花畑を見に、涸沢パノラマコースを登り、涸沢小屋経由で戻った直後に雨が降り出した。涸沢ヒュッテの宿泊は初めてだが(いつもは涸沢小屋)、宿泊定員を減らしているので、ゆったりである。

8月22日 曇り後霧 風なし ヒュッテ~奥穂高岳~ジャンダルム~天狗沢~岳沢小屋
早朝4:30出発、前日のパノラマコースで行くと開けたモレーンなのですぐに明るなり、歩き易い。穂高の稜線上は薄く霧が漂い、朝日が当たってオレンジ色に輝いてきれいである。ザイデングラードの取付で休憩、ストックをしまう。鎖、梯子の続く急な岩場をしばらく登るとやや傾斜が緩やかになり、次々と降りてくる人たちとすれちがう。今日はテント泊か北穂から人たちだけなので、穂高岳山荘が営業していたら相当な下山者で混雑するのだろうか。トラバースになると、ほどなく白出のコル、山荘である。いつもと違い、山荘前はとても静かで落着いた雰囲気である。水だけ飲み、すぐに奥穂の登りにかかる。ハシゴ、鎖の連続する道をひと登りの後、飛騨側の斜面を登っていくと、ジャンが見えてくる。

奥穂山頂に着くと、もう霧に包まれ展望はない。すぐに、ジャンに向かうと、岩はあまり濡れていないので一安心である。稜線上に連なる大岩の上をバランスを取りながら進み、稜線脇の斜面を巻いたりを繰り返す。ここで、ペンキマークはコロナ前より増えているのに気が付く。道が明瞭で迷わなくて歩き易いのだが、これでは普通の登山道と変わらず、行きつ戻りつ進む、かっての緊張感が感じられず、残念である。このコースは登山道ではないと山岳関係者は言ってきたのに何故このようなことをするのだろうか。多分、ジャンダルムへ往復する登山者が増え事故防止の為だろうか。だが、以前、登山者が北鎌尾根に付けたペンキマークは消されたはずである。さて、難所と言われるウマノセに到着。ここの難所がジャンダルムを俗化から守ってくれているのかもしれない。初めて来たときは、一体どうやってここを下るのかとびっくりしたが、急傾斜で高度感があるが、濡れていなければ、確実に下りれば難しい岩場ではない。コルからロバの耳への急斜面をよじ登る。耳を巻いて、一度下り、細いトラバースを通過する、先日、この付近で滑落骨折し、悪天候でヘリが飛べず、救助隊員と5日間ビバークしたというから驚きである。飛騨側に西穂への分岐まで回り込み、ひと登りで6度目のジャン山頂である。

これまでは、穂高岳山荘を夜明け前に発つので静かな山頂であるが、今日は、涸沢からのスタートなので、既に登山者がおり、写真を撮ってもらう。霧で展望はないが、西穂まで行かないので、ゆっくり休憩する。分岐に戻り、畳岩への登りにかかると、ここからは、ペンキも減り、良い感じの楽しい岩稜歩きになる。畳岩からは天狗のコルへの急下りになり、いつもはまだ人とすれ違わないのだが、今日は西穂からの縦走者に石を落とさなように気を使うので時間がかかる。信州側の巻道を見逃して、2度ほど稜線上の岩稜を進み、巻道に合流する失敗があり反省する。

天狗のコルで休憩し、下りにかかる。この沢はすべてが浮石なのだが、右崖沿いが下りやすいが今にも上から落石がありそうで気が気でない。やがて、左崖沿いに移るが、以前よりペンキが増えており、ふみ跡らしきものもできている。ともかく、転倒しないようにストックも使いながらじわじわと降るしかない。中途から右岸尾根に道があるのだが、前回は見過ごしてそのまま沢を下ってしまった。右岸を注意してみていると登山道が見えたので、尾根道に入ることができた。この尾根はお花畑が続く斜面で、穂高周辺では一番ではないだろうか。尾根から沢に戻り、やや傾斜や浮石が落ち着いた沢を下って行く。ともかく長い下りで3時間以上かかった。ようやく、岳沢に続く左岸尾根に入り、トラバース道を下っていくとようやく岳沢小屋である。テラスで休憩していると、涸沢ヒュッテが今日からコロナ休業になったので天狗沢からジャンを往復してきたと聞かされた。その他の小屋もいっぱいである。

8月23日 曇り時々霧雨  岳沢~上高地 乗鞍高原散策
稜線上は霧なので展望も望めないので、前穂高往復はやめ、乗鞍岳に行こうと、夜明け前に上高地に向け下山開始。だが、霧雨も降り出し、乗鞍高原散策に変更する。朝食を取ると歩きずらいので、山ではいつも朝食抜きである。

沢渡を経由し、高原観光センターへバスで移動。自然保護センター見学後、滝、池、ブナ林をめぐる静かな散策路を楽しむ。松本からの高速バスは満席だったので、各駅停車でのんびり帰宅した。山小屋のコロナ休業で、しばらくコース決めの難しい状況が続きそうである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です