品川山の会”さんかくてん” WEBマガジン

花ごよみNo94~104(2020年)

花ごよみNo.104 ミヤマキリシマ(深山霧島)

季節はずれで申し訳ありませんが、登山歴も浅く、あまり花に興味がない私が、本当にきれいだなぁ、感動したのが、ミヤマキリシマです。ミヤマキリシマはツツジの一種で、「深い山に咲くツツジ」という意味から名づけられました。1メートル程度の低木で、九州各地の高山に自生しています。花期は5月下旬から6月中旬で、枝先に2-3個ずつ紫紅色の花をつけますが、桃色、薄紅色の花も見られます。名前にあるように霧島もきれいですが、九重連山のミヤマキリシマも見事で、私が2017年に登った平治(ひじ)岳は、頂上付近がミヤマキリシマに覆れて、山全体が紅色に染まったようでした。年によって害虫に食べられて枯れてしまうこともあるようですが、17年は、毎年訪れている山仲間も久しぶりにきれいだ!言うくらい咲き誇っていました。九州山行の際は、6月上旬に九重へぜひ行かれてください。

(2020.12,今堀:文)

花ごよみNo.103 シロヨメナ(白嫁菜)

過日10/31の天城山縦走山行で、群生するシロヨメナに出合い興味を持って調べて見ることにしました。ハイキングや登山で山道を歩いていると多くの野菊を目にすることがありますが、それらの種類は似ていてなかなか見分けがつきません。この花名がシロヨメナと断定できたのは、図鑑やインターネットで調べた結果です。
天城山周辺は近年、シカの食害により樹木が枯死し、スズタケやアマギザサなどの高山性竹類が退化して、緑の山は岩地化・砂漠化し、保水能力が低下し、洪水や土砂災害の危険性が高まっているとのことです。山にはシカの食べないアセビ/馬酔木やシキミ/樒、トリカブト、シロヨメナばかりが残り、群落をつくっている所もあり自然生態系への影響も大きいようです。
本題に話を戻すと、シロヨメナはキク科シオン属の日本原産の野菊です。花言葉は「隠れた美しさ」、「丈夫」です。皆さんも今度、野菊に出合ったら花名を言い当てましょう。

(写真)タンポポのように風に飛ばされる綿毛のついた種を付けます。
(2020.11,関山:文)

花ごよみNo.102 シダ

いつのころからかシダが好きになりました。
山育ちで山菜取りに一人で出かけたころは、シダは、蕨やゼンマイ、コゴミなどが大きくなってしまったものと単純に思っていました。子供のころは「こごみの化け物」の印象でした。
東京に来て30代から山登りをおぼえ、植物に目が行くようになると、これあれと植物の名前を聞いたりしているうちに、シダにも目が行くようになりました。
20か月ぶりに夫婦でリハビリもかねて、横浜のつながりの森へ出かけました。森と草花に、気分は落ち着きます。
クサソテツ(こごみ)の胞子葉などは1mにも達するほどです。
シダは、日当たりのよい川岸やまたは湿り気のある山麓や原野などに生える多年草の植物です。シダは日本全土ありとあらゆるところで目にします。都会のマンションの植え込みにも使われていたり、生け花にも使われています。つながりの森はたくさんの野の花がきれいでした。生け花教室で野の花を生けてみました。

(2020.10,和久井君:文)

花ごよみNo.101 アツモリソウとレヂーススリッパ

私がアツモリソウと言う花があるのを知ったのは2001年7月礼文島に行った時でした。でもその時アツモリソウを見る事は出来ませんでしたが、頭の中に残っていたようでした。
初めてアツモリソウを見たのは、2015年7月九寨溝、黄龍でした。その時のアツモリソウは、象牙色をしていたようでした。
去年7月入笠山で久振りにアツモリソウにあいました。売店の池の所で自然な状態で咲いていました。
今年2月パタゴニア地方に行った時アツモリソウの親戚であるレヂーススリッパと言うのを見ました。黄色一色のはチリ、アルゼンチンの両方でよく見かけましたが、茶色が少し入っているのはチリでそれも一カ所でしかみませんでした。
アツモリソウは、袋を持っているので食虫植物かと思われますがそうでなく蜜を求めて来た虫たちが、袋に入り花粉を付けて空に向かって出ていくので受粉になるそうです。

(2020.9,杉浦:文)

花ごよみNo.100 シンデレラのガラスの靴 サンカヨウ

世の中には不思議な花があるもので・・・
まるで氷でできたかのような美しい透明な花びらをもつ花が実在!!
その花の名前は「サンカヨウ」といい、漢字は「山荷葉」と書きます。「荷葉」とは「蓮の葉」をさすそうで「山に咲く蓮のような葉を持つ花」という意味だそうです。
最近SNSで話題のこの花が見たくて7/17~/20飯嶋さんリーダーの白山北縦走路に取材山行に行きましたが、残念ながら花はもう終わっておりブルーベリーのような実を見つけるにとどまりました。
なんでもこの花は朝露や雨しずくなどの水分を吸うと花びらがガラス細工のように透明になるというのです。
調べると浜辺で波しぶきにかかると、着ていたTシャツが濡れ肌が透けて見えるのと同じ理屈でなんとも趣のある花だなと感じました。ちなみにこの花の花言葉は「親愛の情」「幸せ」だそうで清楚で可憐な花のイメージにピッタリと言えるでしょう。
是非サンカヨウを見つける山行にチャレンジしてみたいと思います。

(2020.8,三戸:文)

花ごよみNo.99 白山のクロユリ

クロユリはユリ科の高山植物で別称エゾクロユリ(蝦夷黒百合)ともいう。
分布は北海道、東北地方の月山・飯豊山、西限地は中部地方の白山です。白山・室堂付近には大量に群生しています。
花期は6~8月。花は鐘状で茎先に1~数個、斜め下向きに付けます。
色は暗紫褐色または黒紫色です。花に悪臭があり、英語ではskunk lily
(スカンクユリ)の別名があります。
写真は2019年7月に石徹白登山口から美濃禅定道コースで白山へ登山した時に室堂付近で撮影したものです。
古い話ですがクロユリに絡んで“黒百合の歌”という歌謡曲があります。
昭和28年発表、菊田一夫作詞、古関裕二作曲、織井茂子歌で松竹映画「君の名は」の主題曲です。
♪「黒百合は恋の花 愛する人に捧げれば 二人はいつかは結び付く あ~あ~あ~・・・・・」
聞いたことありますでしょうか!
この歌詞はアイヌ民族には好きな人への想いを込めたクロユリをその人の近くにそっと置き相手がそのクロユリを手にすればいつの日にか二人は結ばれる。という言い伝えがありそれを主題にしています。

(2020.7,山口:文)

花ごよみNo.98 シダーローズ

【科名】マツ科
【学名】Cedrus deodara(「deodara」は神の木という意味)
【属名】ヒマラヤスギ属  別名「ヒマラヤシーダー」
【原産】インドのヒマラヤ地方・アフガニスタン
【花期】10~11月
【用途】庭木、公園・街路樹、建築・土木・器具材等
雌雄同株、雌雄異花(雄花も雌花も短枝につく)の常緑針葉樹
美しい円錐形の樹形で、世界3大造園木のひとつ(あとは、アロウカリア・コウヤマキ)と言われています。樹高は40m~50m、時には60mにまで生長し、幹の直径は3mに達します。
たまたま 世田谷のぼろ市でなんとなく買いました。1個100円です。それがこれでした。
日本にもあるみたいです、ヒマラヤ杉を見つけて探してみてください。

(2020.6,中村:文)

花ごよみNo.97 藤の花

今年は外出自粛の影響でせっかくの藤の花を観賞出来なくなりました。
私の故郷の福岡県八女市の「八女黒木大藤まつり」も中止になりましたが、せっかく咲いたのに勿体ないので写真だけでも見てもらいたいと思い写真を掲載したいと思います。

(2020.5,末石五:文)

花ごよみNo.96 キヌガザソウ(衣笠草)

キヌガサソウ(ユリ科):
傘のように広がった葉の中心から長さ3.5-7㎝の花茎を伸ばし、大きな花を1個つける。花の直径は6-7㎝。
日本の固有種で本州、亜高山帯に分布。多雪地で雪が溜まる環境に多い。
キヌガサソウに出会ったのは雪倉岳から朝日岳へ向かう途中でした。もしかしたらそれまでにも何度か出会っていたお花かもしれませんが、この時は長い距離を歩いていて疲れていたのか大きな葉と白いお花がすごく印象に残りました。
翌日には群生も発見し、得した気分になりました。

(2020.3-4,松尾:文)

花ごよみNo.95 コマクサ(駒草 ケシ科)

高さ5~15cm 花期7~8月 多年草 分布北海道、本州(中部以北)
本州では日本海寄りの山に多い、凍結、融解によって砂礫が移動する構造土に多く生え、火山礫原にも生える。根茎は短く、地中深くにある。花びらは4枚で、外側2枚は基部が大きく膨らんで先半分が反り返り、コマクサの特徴ある花形を作っている。
普段、一人で歩いているので、花があっても、聞ける人もいないので、名前はいまだに一向にわからない。写真を撮って、後で調べて見るのだが、似ている花があってやはりわからない。さすが、コマクサだけは直ぐにおぼえることができた。
コマクサの大群落に出会ったのは草津の本白根山が最初だと思う。ここの群落は盗掘で一時激減してしまったのだが、地元の人たちの努力で復活した経緯があります。草津は、夏はハイク、冬はスキーと20年以上毎年訪れるなじみの地です。今は噴火で、立ち入ることができず、残念です。
また、昨夏の裏銀座縦走時に、野口五郎岳から蓮華岳への道沿いでのコマクサの多さにびっくりしました。他の植物がほとんど生えない砂礫地でコマクサだけが連なる稜線を歩いていると、この花の強さに感動を覚えます。

(2020.2,堀井:文)

花ごよみNo.94 シュンラン(春蘭:ラン科シンピジウム属)

・「シュンラン」とはまさに春に先駆けて里山の林床にひっそり咲く。つつましやかなその姿は大型ランの艶やかな色彩を持ちあわせず素朴なたたずまいで、逆に気にかかる。春先に足元の植物を見てゆったり歩くのも良いものである。
・シュンランの花全体の左右と上部に拡がる黄緑の細長い(披針形)3枚の花弁に見えるのは萼片である。2枚の側弁花が赤味をもつ蕊柱(ずいちゅう:雄蕊雌蕊の合体形)を風雨から守るように上部を覆っている。草丈は高くても25㎝前後だろう。
・三毳山の花は保護地にあって踏まれる心配もないのか、伸び伸び咲く。奥多摩の春蘭はもう咲いているかなと出掛けた山行でみつけた株である。踏まれそうな登山道脇に花茎も葉も目いっぱい伸びなければ子孫を殖やせないとばかりに健気に咲くように見て取れた。バルブの株分けで増える。全体が緑っぽいので探すつもりがないと見逃してしまう。また盗掘される花でもある。シラン(紫蘭)とそっくりの蒴果をつける。中に綿ぼこりのような糸屑をまとったような極小の種が莢からはじけ飛ぶが、蘭菌と共生しないと発芽しないらしい。私も庭のシランの種の発芽に成功したためしが無い。
シンピジウムに属する花は塩漬けにして桜湯と同様に飲んだり、茹でて酢のものにもできる。食したことはない。
私と同じ歳の友人と夏山山行の相談中に、彼女の庭ではシュンランが毎年多く咲くと聞いて驚いた。次の会議に5-6株植え付けた鉢植えを持って来てくださった。そのシュンランは翌年もその次の年も花を付けなかった。3年後の春に花が咲いた。しかし彼女はその半年前に「白血病」で亡くなっていた。私には大切にしたい花である。(了)


(2020.1,高橋:文)

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