花ごよみNo23~No34(2014年)

花ごよみNo.34  カラマツ(唐松、落葉松)

カラマツ
もう10年も前のことになると思う(記録が見つからない)が、大晦日の日、雲取山荘に泊って、翌正月1日、石尾根を下ったことがあった。 大変良い天気で尾根の両側のカラマツの黄葉が朝日を浴びて金色の針のように散るのを見た。幸せな気分になった。この素晴らしさを人にも紹介しようと 思った。カラマツの林をすぎて妙齢のご婦人(当時は山ガールなど生存していない)に 追抜かれた。
カラマツ
当時は膝の調子も悪くないので懸命に追ったが振り切られた。そんな思い出と共にある。
が、時季である。暮、正月だとばっかり思っていたから、先日、頃は良いと雲取山に出かけてみた。見事に散り終っている。自分の記憶があてにならないのか、それとも季節が変化したのか。悔しいから、カラマツの枝に霜の載っている写真も撮って来た。
カラマツ
【カラマツ】落葉松と書くのはあて字。日本の固有種で、短枝に束生する葉を 唐絵に描かれたマツに例えて唐松と名づけられたという。富士山、浅間 山、八ヶ岳山系に多く自生する。 北限は蔵王山系の馬ノ神岳、南限は静岡県の天狗石山、西限は白山とされている。
カラマツ
植え付け後20~30年で利用できることで林業材として脚光を浴び たこともある。雲取のカラマツは植林であろう。黄葉スポットは 黒斑山、瑞牆山、鳳凰三山の観音岳。
(2014.12,内藤:文)

花ごよみNo.33  冬紅葉 ― 講談社野間記念館

冬紅葉写真
ありふれているようだが紅葉。できるだけ遅く出かけてほしい。もう紅葉も終わりだなと思う時分、木枯1号も吹いたあとの12月上旬がいい。ひとつ条件がある。晴天・これが必須。遠くからみる紅葉は色を失って茶色にちかい。葉はすっかり乾いて、赤ん坊の手に例えられる「紅葉の手」は老婆の手のようにでれんと下に垂れているが葉はしっかりと枝についている。近づいて紅葉の傘の中まで歩いてからゆっくり上を見上げてみよう。上空の陽を透かして、なんと真っ赤、真紅、深紅の紅葉を見ることができる。11月の紅葉は黄色が混じっている。それはそれで美しいのだが、真紅・深紅の紅葉は日をかさねないと見ることができない。紅葉に人間の老境をかさねて、ほれぼれとしてしまうのだ。
おすすめするのは、都心の庭園美術館。私が初めてこんな紅葉に出会った場所である。
冬紅葉写真
もう一つのおすすめ
講談社 野間記念館 東京都文京区関口2-11-30
現在の展示 「四季礼賛」
2014年11月1日~12月14日
午前10:00~午後5:00
(入館は閉館の30分前まで)入場料 500円
休館日 展示期間中の 月・火曜日 (祝休日の場合はその翌日)
(2014.11,林:文)

花ごよみNo.32  ワレモコウ(吾亦紅、吾木香)

ワレモコウ写真
今年の9月の初め、妙高高原に出かけました。花の名前をどうしても覚えられない私です。そこで、自然観察と言う名目で生け花の先生をお誘いして出かけてみました。里山にソバの花はきれいだった。ワレモコウは生け花に使ったのでわかった。他の花たちはと言えばいろいろで、何の花だったか。花の本を忘れてしまい、なんの花?写真を摂ればピンボケ。どうも、こういう事には縁がなさそうだと半ばあきらめ、景色ばかりを堪能して帰ってきた。
ワレモコウ写真
【ワレモコウ (バラ科)】
高さ70~100㎝の多年草。葉は奇数羽状複葉で小葉は長楕円形。枝先に暗赤色で円頭状の花序をつける葉は夜とじる。花びらはない。和名の意味ははっきりしないが「吾(わが国)の木香」の意味かもと。ただし、木香の香りはない。
(2014.10,和久井君:文)

花ごよみNo.31  サンカヨウ(山荷葉)

サンカヨウ写真
7月 白山に登った時に出会ったサンカヨウです。
山の管理をされている方が、「今、白山で見られる唯一のサンカヨウです」と教えてくれました。フキにも似た大きな葉に純白な白い花が可憐です。
サンカヨウ写真
サンカヨウ写真
雨が降ると花びらに水がしみこみクリスタルな花になります。この日の天気は小雨で、クリスタルな花を見る事が出来ました。(2014.9,福井:文)

花ごよみNo.30  タカネナデシコ(高嶺撫子)

タカネナデシコ写真
一昨年の8月に白馬~雪倉~朝日を縦走した時に雪倉岳のお花畑で見つけました。沢山の色とりどりのお花の中で可憐で繊細な趣きのピンクのお花がなぜか気になってました。そして今年の8月、三国境から白馬への途中で再会しました。雪倉岳では雪渓近くのお花の群生地で、今回は登山道の岩礫地に咲いていました。
タカネナデシコ写真
タカネナデシコ写真
5枚の花弁を持ち、北海道、中部地方以北の高山帯の岩礫地、草地に咲いていることがわかりました。(2014.8,渡辺綺:文)

花ごよみNo.29  栂池自然園のギンリョウソウとキヌガサソウ

ギンリョウソウ写真
4葉とも、一昨年7月に栂池自然園で撮りました。上の写真2枚は、ギンリョウソウです。やせ尾根の途中で、はじめて見つけました。狭い道で後ろがつっかえてしまうため、落ち着いて撮れませんでした。思っていたものより小さかったです。写真1枚目は下の方に小さく写っています。
ギンリョウソウ写真
キヌガサソウ写真
キヌガサソウ写真
キヌガサソウです。ギンリョウソウとは反対に大きいです。葉っぱを含めた全体がです。ギンリョウソウは日陰で光合成しません、キヌガサソウは太陽の下、この差でしょうか。(2014.7,小関:文)

花ごよみNo.28  チングルマ(稚児車)

チングルマ写真
高い山に登ると必ず逢えるチングルマです。
花もかわいいけれど、花から種になるまでの変化がとても綺麗で、面白くて、出会うとカメラを向けてしまいました。
チングルマ写真
チングルマの咲く山にまた行けるでしょうか。
チングルマ写真
行きたいなぁ。(2014.6,山本:文)
チングルマ写真
【チングルマ】高山の雪田跡や砂礫地周辺で大きな群落をつくる。花は白色、花弁は5個で基部は黄色い。果実の形が稚児車のイメージでこの名がついた。
チングルマ写真

花ごよみNo.27  水芭蕉の尾瀬

水芭蕉写真
2年前の 5 月下旬の尾瀬です。
まだまだ、厳しい寒さのなか、広範囲に数多くのミズバショウが咲き、まわりの景色とひとつになって素晴らしい景色でした。
寒さも忘れて、水芭蕉に会いに来てよかった。とてもきれいで、見事でした。
水芭蕉の花言葉通り「美しい思い出」・・・・。もう一度行ってみたいなあと思える場所です。(2014.5,三部:文)
水芭蕉写真

花ごよみNo.26  里山の花-はなもも

ハナモモ写真
飯田では4月上旬あたりから桜が咲きはじめ、その桜が終わり、色鮮やかな「はなもも」の季節に入る。赤、白、桃色、紅白咲き分けなどと色の変化に楽しみがあります。
はなももは原産地は中国で花を観賞するために改良されたモモで庭木などに利用されています。実はなりますが小さく、食用にはなりません。仮宅の畑の一角に2本の木があり、5月の初旬頃に華やかな彩りで目を楽しませてくれます。
飯田の隣に阿智村があり、そこにある昼神温泉のはなももや中央高速道園原ICの先にある月川の花桃(花桃の里)が有名です。伊那谷と木曾谷を結ぶ国道256線の清内路村から南木曾町にかけては、はなもも街道と呼ばれ、数千本のはなももが目を楽しませてくれます。
伊那谷では花期は4月20日頃から5月初旬が見ごろとなっています。(2014.4,新美:文)
ハナモモ写真
ハナモモ写真

花ごよみNo.25  初夏の伯耆大山の花

伯耆大山写真
伯耆大山写真
伯耆大山写真
伯耆大山写真
7月後半に石鎚山、剣山、伯耆大山と登り、その時の花です。
大山の弥山(1709m)の頂上付近には「クガイソウ」が一面に咲いていました。7月後半の時期で、穂のような花序に青紫色の小さな花を多数つけています。見ごたえがありました。
九合目辺りには「ヤマアジサイ」登山道横に咲いていました。
八合目当りの登山道横の岩場に「ホタルブクロ」がいくつか可憐に咲いていました。
「シモツケソウ」の花も咲いていました。(2014.3,山口:文)

花ごよみNo.24  早春を感じるロウバイの花

ロウバイ写真
植物に大して興味がなく、うとい私でも早い春の訪れを知らせてくれる存在にはいとおしさを感じます。
一月中旬に、よく散歩に出かける「しながわ区民公園」に出かけてみました。どこからともなく香りが漂ってきますが、「あ、ロウバイが咲いているかもしれない」とすぐに思い浮かべるくらいの強い香りです。咲いていました。もう満開に近い状態でした。
わずか4~5株しかないのですが、以前にもある新聞に紹介された事があり、季節の移ろいを感じさせてくれます。カメラを向けている人もいて、「今年はきれいに咲いている」なんて話しを聞いていると見入ってしまいました。
パソコンで調べてみると、「中国名も蝋梅であったことにちなむ。花弁が蝋のような色である。花やつぼみから抽出した蝋梅油を薬として使用する」とありました。
高橋さんに促されて渋々引き受けたこのコーナーですが、思わぬ勉強になりました。近場でも、興味をもってみればいろいろな発見がある事を知り、楽しみが増えました。(2014.2,和久井(康):文)

花ごよみNo.23  ブーケをさがして

ブーケ写真
ブーケ写真
ブーケ写真
ブーケ写真
山に行く楽しみの一つにかわいいお花に会えるということがあります。そしてそれを写真にとって家に持ち帰り、また見て2度楽しめます。背景に景色を入れるのもすきですし、最近は花がまとまっていてブーケのようになっている場所をさがしています。
右の写真は2003年にCape Breton,Canada で撮った「ブーケ」に目ざめた時のものです。下の12枚は2003年~2013年に北アルプス・赤石岳・白山・サンモリッツなどで撮った「ブーケ」です。
全部の花がよい状態になっていなくてはなりませんのできょろきょろしていて歩くのも遅くなってしまいます。ことしもまたブーケがふえたらいいです。(2014.1,橋本:文)

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