花ごよみNo70~No81(2018年)

花ごよみNo.81 ランタナ(七変化)

最近、仕事の関係でなかなか美しい山を歩き機会が減っている。
しかし、花はあらゆるところに咲いている。それを見るか見逃すかは意識次第かもしれない。僕も普段はなかなか街に咲いている花を見るほど余裕があるわけではない。でも、ふと立ち止まるとき綺麗な花が山だけではなく、どこにでも咲いていることに気づくときがある。
最近見かけた花はランタナという花。これも近くの公園に咲いているものだが、あまり見かけることもない花だ。ランタナはどうも南国の花のようで、確かに山の中で自然に咲いている花とは全く思えない。しかし、同じ色だけに染まった花ではない、様々な色で咲いている花には不思議な魅力がる。
いわば七変化のように花の色が変化するようだが、私たちの人生も同じように七変化すると結構楽しい、時にはつらい時もあるかもしれないが、変化も楽しむような生き方ができるほど豊かになるのではと思う。

(2018.12,山崎:文)

花ごよみNo.80 コケ(苔)

6年前娘が5歳のとき、北八ヶ岳しらびそ小屋に向かう道中、コケのことをかわいいかわいいと言ったのをきっかけに親子そろってコケの魅力に目覚めてしまいました。
コケ植物は簡単な体のつくりの原始的な植物で、シダ植物と同じように太古の昔に地球上に登場したと考えられています。コケは生き物の大先輩です。
根、茎、葉の区別はなく、根のように見える部分は体を固定するための仮根といわれるもので、根(仮根)から水分や養分は吸収していません。
水分や養分は体全体で吸収していて土を必要としないので、岩、木の幹、倒木、屋根、コンクリート、ロープに生えているものまで、色々な場所に生えています。
多くの種類が基本的に湿度の高いところが好みなのでしょうが、森の中でコケを見ていると種類によって生育場所が違うことが良くわかります。地面にしか生えないもの、岩の上にしか生えないもの、倒木を好むもの、個性があります。
そして、触り心地も色々です。山に行きコケを見かけるとなでなでなでなで・・・。
私はしっとりしたミズゴケの類、娘はモシャモシャしたカモジゴケがイチオシです。
(2018.11,波田野:文)

花ごよみNo.79 白玉の木の実・りんどう・秋の麒麟草

会報10月号の「花こよみ」を担当するにあたり、取材山行として予定した7月の白山、8月の集中山行赤岳がいずれも雨で中止となり、10月5日からの安達太良山山系鬼面山~箕輪山山行に最後のチャンスを掛けることとなった。いつもは他人任せのカメラをザックに装着し、勇んで取材宣言を行うも「この季節に花なんて無いわヨ」との厳しいお言葉に戸惑いながら山行を開始した。結果、なんとか「白玉の木の実」「りんどう」「秋の麒麟草」の花を見つけ、カメラに収めることが出来た。

「白玉の木の実」は白い花に見えるが実は花の実で、通常茶色が多い実の中で白色の実をつける珍しい実である。取って潰すとガムのような匂いがするとのことであったが私には解らない。やはり老化現象か?

「りんどう」はお馴染みの紫色の花が至るところに咲いていた。

「秋の麒麟草」は山行中、この一輪だけ見つけた黄色が鮮やかな花である。隣に落ちていた「ナナカマド」の真っ赤な実との色合いがピッタリであった。

「花より酒・団子」派の私にはこれ位しか書けないが、今回の山行では花はハナでも秋山の“華”紅葉が素晴らしかった!!
全山紅葉に燃える鬼面・箕輪山の写真を添付して「花こよみ」の記事と致します。
(2018.10,三戸:文)

花ごよみNo.78 チョウジギク (丁子菊)

今から、3・4年前お花畑に魅せられて4回程夏と秋の白山に登りました。
天気に恵まれたのは数回でしたが、思い出深い登山でした。小雨の中朝露に煙るヨツバシオガマ・カニコウモリ等の沢山のお花達が迎えてくれました。

ハクサンウサギ・ハクサンマイマイにも遭遇しました。
南竜ヶ馬場に立ち寄った時、ビジターセンターで丁子菊の話を聞きました。
丁子菊に興味があり、秋に白山に登りました。帰り南竜ヶ馬場まで足を伸ばしましたが、残念ながら花の時期は終わっていました。いつの日か見てみたい花のひとつです。
(2018.9,瀬畑:文)

花ごよみNo.77 ヒガンバナ (彼岸花)

別名、曼殊沙華とも言います。
奥武蔵の埼玉県高麗川の巾着田曼殊沙華公園で9月に撮った写真です。
公園では彼岸花が一面に広がり、真っ赤な絨毯のようでした。
公園内に流れるU時に曲がりくねった高麗川の対岸は天覧山へのハイキングコース高麗峠に通じています。

以下、wikiの情報ですが、小ネタです。
彼岸花の名前は、秋の彼岸(ひがん)のころに開花することに由来しています。別名の曼殊沙華とは響きの通り、サンスクリット語のマンジューシャカmajaka、パーリ語のマンジューサカmajsaka/majussakeの音写だそうです。

アルカロイドを多く含む有毒植物。経口摂取すると吐き気や下痢を起こし、ひどい場合には中枢神経の麻痺を起こして死に至ることもある。トリカブトもアルカロイド主成分の有毒植物ですね。

有毒ゆえ、恐ろしい異名もあるそうです。
死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、蛇花(へびのはな)、剃刀花(かみそりばな)、狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)
お墓に植わっていることの多い彼岸花は除虫の効果もあるそうです。

(2018.8,安達:文)

花ごよみNo.76 ヤクシソウ (薬師草・キク科オニタビラコ属)

秋が深まりゆくころ登山道に入ったばかりの歩きで、あるいは標高をだいぶ下げ林道歩きになる頃、鮮やかな黄色のキク科植物の一叢が目に入ったら、それは「ヤクシソウ」でしょう。舌状花をもち、草丈は30~80cm。

年を越してからも結実して綿毛がしっかり残っている花ですから越年草(二年草)と言えるでしょう。綿毛を付けた実が、風に吹かれ飛んでいきます(2015年1月鍋ハイク大野山で撮った綿毛の写真が見当たらず、綿毛写真はネットから拝借)。

かつて民間薬として乾燥した頭花を油漬けにして腫れ物に塗布したそうです(有効成分:酢酸ゲルマニシイルなど)。ツリガネニンジンと同じく茎を折ると白い乳液がみられます(別名チチクサと呼ばれる一因)。

キク科のタンポポやコオニタビラコ(春の七草で古名ホトケノザ)と同様に若芽を茹でて晒して、おひたしや油いためにして食べることができます。労働者だった頃の私は職場の4月健康診断で港区新橋にある慈恵医大に出かけましたが、一面タンポポの咲く更地をみつけ、毎年ロゼット状の蒲公英の若葉を一握り摘んでお浸しにして春の息吹を食すのを楽しんでいました(日比谷通り沿いの繁華な土地で獣糞はなかった)。ヤクシソウも根生葉や冬越しの葉を可食できます。 どんな香なのか、どのくらい苦いのかしら、ちょっと気になります。 (了)

(2018.7,高橋:文)

花ごよみNo.75 ネモフィラ

今年の5月ゴールデンウィークに茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園の丘いっぱいに咲く青い花「ネモフィラ」を見に行きました。450万本の花が咲き誇り、写真のように丘陵の一面が青色で染まっていました。

ネモフィラ属は、カナダ西部からアメリカ合衆国西部、メキシコにかけてとアメリカ合衆国東南部に
分布。耐寒性一年草。草丈10-20cm。花は4月-5月に開花し、花径2cmくらいで、白に空色または青紫色の深い覆輪で、中心部に黒い点が5つある。

日本一のネモフィラ畑「みはらしの丘」があるのは、茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」。「青の絶景」や「空と繋がる丘」として各メディアでも紹介された日本の絶景の1つです。一面が瑠璃色!どこまでも続くネモフィラの光景は、まるで映画やドラマのワンシーンのよう。丘の上で青空につつまれて眺めるネモフィラ畑はまさに絶景。夢のような景色に感動せずにはいられません。(国営ひたち海浜公園:提供資料)
(2018.6,川田:文)

花ごよみNo.74 ツツジ(躑躅)


今年のつつじ、早く咲き、早くも終わってしまいました。
だいぶ前に5月の八潮緑道公園で撮りました。雨のあと、抽象画のように咲きほこって見事でした。
(2018.5,飯嶋:文)

花ごよみNo.73 熊野本宮大社の桜

先日の3月下旬、さんかくてんで熊野古道に行って来ました。
高野山から熊野本宮大社まで85㎞にも及ぶ、3泊4日の修験道歩きです。
いくつもの峠を越えて、やっとの思いで熊野本宮大社に着いた時は、感慨深いものが有りました。
その時、社殿前の庭に咲き誇っていたのが、この熊野桜です。
ちょうど和歌山も桜の満開の時期を迎えていたのですね。


左の写真はスタートの丹生都比売神社に向かう車窓から見た故郷の母なる大河紀ノ川と桜です。右は高野山への山道、町石道のサンシュウの花々です。
(2018.4,得津:文)

花ごよみNo.72 景信山・高尾梅郷で出会った花木たち

景信山
先日3/11(日)、Mさんと二人で景信山に行ってきました。高尾梅郷の花見山行の下見に出かけたのです。Mさんは涙目をして目の周りを赤くして、鼻水を垂らしてやって来ました。花粉アレルギーの症状が出ているのです。今回の花ごよみでは、この山行で目にした花木をとりあげたいと思います。
景信山
高尾駅北口はいつもながらの多くのハイカーで混雑し、臨時便がたくさん増発されました。小仏バス停までの車窓からは、何か所かで開催している梅まつりの様子が目に写りました。そして、その中に紅梅や白梅に混じってマンサク(満作/万作)や三椏(ミツマタ)を見つけました。植物図鑑によると、マンサクの名の由来は①早春、他の花に先駆けて「まず咲く」ことから、②枝いっぱいに花をつける、③花の様子が豊作を祈って踊る姿に似ている・・・などの諸説があるようです。先月、宝登山で見かけたものとは花と花木の形状と色が大きく違っています。品種も多いようで、はじめサンシュユと間違ってしまった。
景信山
三椏は3月から4月ごろにかけて、三つ又に分かれた枝の先に黄色い花を咲かせる。ジンチョウゲ科に属し、花はボンボンのように密集して咲き、良い香りがあり、和紙の原料となる。三椏の花は当会の山ガールたちにも人気の花で、毎年のように三椏を見る山行が計画されるが、今年は計画がなく残念です。
景信山
小仏峠に下山する杉林の中で僕たちは花粉に襲われました。花粉が降り注ぎ辺りが靄がかかったようになりました。花粉症のMさんは更なるダメージを受け、顔のほてり、体のだるさも加わりながらも、目のかゆみを我慢し鼻水を垂れ流しながら、木下沢梅林へひたすら歩みを進めました。
景信山
会場は昨日から梅まつりが始まり、1分から2分咲の梅林には多くの観梅客が訪れていました。園脇のベンチで休み、Mさんはコーヒーを淹れ、桜餅をふるまって下さいました。至福の時です。今日ほど梅花が素敵でかわいく感じたことはありません。帰路は、大井町で「下山してけふのけじめのビールかな」。Mさんの症状はアルコールで更に悪化し、一晩中鼻水を垂れ流し続けたとか! ご用心!
(2018.3,関山:文)

花ごよみNo.71 灯台躑躅(ドウダンツツジ)

ドウダンツツジ
幼少のころ(65年前)、家の近所のお屋敷の生け垣が春になると、スズランに似た小さな白い花を沢山つけとてもかわいらしく、学校の行き帰りにぐるりと一回りして楽しんでいました。花の名前も知らないで年月を重ねてきました。
さんかくてんに入会して、どなたに教えていただいたか忘れてしまいましたが「ドウダンツツジ」を知りました。
ドウダンツツジ
元々記憶力が弱いので直ぐに忘れてしまうのに又花がつつじらしくないのでどう記憶しようかと迷い思いついたのが どうだ!つつじ これならよし、忘れないだろうでどうにか私の脳に定着しました。
春の花も好きですが真冬の小さい枝に少し膨らんだけなげなつぼみ達を見ると嬉しくなります。花言葉を調べると 節制・返礼・上品・愛の喜び・かわいい人・私の思いを受けて・素直な告白 と色々ありますがその時々で好きな花言葉を引用してみます。
2番目の写真:スズランのような愛くるしい白い花を沢山付けるドウダンツツジです。
3番目の写真:皆様が本州の初夏の山々を登山中で見かけるサラサドウダンツツジです。
ドウダンツツジ
(2018.2,渋谷:文)

花ごよみNo.70 白山一花(ハクサンイチゲ)

ハクサンイチゲ
キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。
昨年の8月に初めて東北の山「月山」に登りました。
出羽三山のひとつであり、白装束の登山者とすれ違いながら、強風にあおられて頑張ってのぼった山頂直前で、健気に咲く可憐な姿にほっと癒されました。
漢字では「白山一花」と書きます。「白山」は、石川県の白山で発見されたことにちなみます。「一花」は1本の花茎に1つの花が咲くという意味です。でも白山以外でも見られ、たくさんの花を咲かせます。
ハクサンイチゲ
草地や岩場に生え、えりまきのような葉の上に、3、4センチの数個の花が花束のように咲きます。
草丈は足首からひざ丈くらいで、花びらのように見えるのは萼です。
花びらが八重のものや花びらが緑っぽいものもあるそうです。
花言葉:「幸せを招く花」
今年もたくさん招いてほしいです(笑)
(2018.1,長谷川:文)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です