花ごよみNo46~No57(2016年)

花ごよみNo.57  モクレン(木蓮)

モクレン
白木蓮は、モクレン属の1品種で、木蓮(紫木蓮)とは異なります。樹高10~15mほどに生長し、春になると新葉が出る 前に、大型で厚みのある白い卵形の花を上向きにたくさん咲かせます。
紫木蓮に比べて開花時期が早く、2~3日ほど咲いた後に枯れてしまいます。花びらは肉厚で、満開になると強い香りを放つことが特徴です。
通常「木蓮」というと、紫色の花を咲かせる「紫木蓮(シモクレン)」のことを指し、白い花を咲かせる白木蓮とは区別されます。
ちなみに名前の由来は蓮の花に似ていることから木に咲く蓮(木蓮)の意味。
モクレン
もくれんとこぶしの見分け方:もくれんは開花中葉をつけないが、こぶしは花の下に一枚だけ葉をつける。
(2016.12,吉岡:文)
モクレン
モクレン

花ごよみNo.56  秋の紅葉

秋の紅葉
今回のテーマは”秋の女王“と言われる紅葉を取り上げてみました。
ところで、皆さん紅葉(コウヨウ)と紅葉(もみじ)、楓(カエデ)の違いをご存知ですか?
【紅葉(コウヨウ)】は落葉樹が落葉の前に木の葉の色が紅色や黄色、褐色に変わる事や変わった状態をいいます。
【紅葉(もみじ)】は、その紅葉(コウヨウ)した葉の中で、見事、鮮やかな紅色に変色するカエデ科の数種をいいます。その中でも葉の切れ込みの深いイロハモミジのことを“赤ちゃんの手のような”という言い方をしています。
【楓(カエデ)】はカエデ科の総称をいいます、カナダの国旗は、もみじではなくカエデです。
秋の紅葉
少し頭が混みあってきましたので、糖分補給として広島名物「もみじまんじゅう」のお話です。明治の時代、伊藤博文公が宮島を訪れた時、給仕した茶屋の娘の手を見て「なんと可愛らしいモミジのような手であろう。饅頭にして食うたらさぞ美味かろう」と言ったのがはじまりとか。昭和天皇の金時山の金時娘と同様「英雄色を好む」の一説でした。
(2016.11,三戸:文)

花ごよみNo.55  エーデルワイス(西洋薄雪草)

エーデルワイス
和名:セイヨウウスユキソウ
6年前のスイスのハイキングのツアーで撮った1枚です。
現在、自生のエーデルワイスは少なくなりハイキングコースでは滅多に見つけることは出来ず、残念ながらこの写真も、山麓のロープウェイ乗場の花壇に栽培されたものです。
サウンドオブミュージックの美しい歌声から可憐なイメージがあったのですが、思っていたより背丈があり、綿毛の部分も肉厚でなんだか逞しく存在していました。
エーデルワイス
花弁のように見える白い部分は、変形した葉なんだそうです。本当の花は中央の小さい黄色い部分でキク科に属しているので菊の中心部に似ています。
ヨーロッパのエーデルワイスに似たウスユキソウは、早池峰や礼文で見られるそうです。
(おまけ)
エーデルワイスは、ミュージカルで有名なハプスブルグ家最後の皇妃エリザベートの髪飾りでも有名です。
(2016.10,安達:文)

花ごよみNo.54  ミヤマセンキュウ(深山川キュウ)

ミヤマセンキュウ
この花は、高山植物がいろいろある中で私が最も好きになれない花でした。
どうしてなのかというと、子供のころよく山に出かけて遊んでいたので、歩き回るのに邪魔な花だったからです。その花の名前がミヤマセンキュウと分かったのは今年栂池自然園に行って分かったことです(左の写真は2016年8月29日栂池自然園にて)。シラネセンキュウというのもあるようです。
いろいろなところで見かけますが、1992年に登った時の鳥海山では、「なんだか色気のない花」としか感じませんでした。他の花がきれいすぎたのでしょうか。
今回、栂池自然園でいやというほど咲いていたので、よーく見てみると白くてごくごく小さな花の集団になっているのに気が付きました。種類もいろいろあるようです。ちょうどこの時カメラが壊れてしまいました。新しいカメラを買ういい機会になり今度は花々を撮って歩きたいと思います。
ミヤマセンキュウ
【ミヤマセンキュウ】(和名 深山川キュウ:キュウは草冠に弓 )
せり科 ミヤマセンキュウ属の高山植物 亜高山帯から高山帯の草地に自生している。
本州中部から北海道に分布している。葉は典型的なシダ状で、枝先の複散形花序に直径2ミリくらいの白色の花を多数つけます。背丈は50センチから1メートルくらい。
ネットで読むと以上のようなことが書かれていました。
(2016.9,和久井君:文)

花ごよみNo.53  ダイモンジソウ(大文字草)

ダイモンジソウ
昨年9月13日の谷川岳日帰り山行の時でした。ロープウェイ天神平駅から金子さんのお子さん、そしてお友達のお子さん達と賑やかに登っていましたら、熊穴沢避難小屋手前で『あっ、大文字草ヨ!』と金子さんの声。園芸店ではよく見掛けている花ですが、自然の中で咲いているのを見るのは初めて。とても新鮮でした。
大文字草はユキノシタ科
5弁花が漢字の"大"の字に見えることから名づけられました。乾燥に弱く、湿り気のある日陰を好むとの事。
ダイモンジソウ
その日の谷川岳の天気は、曇り→少々晴れ→小雨→曇りと大文字草にとっては嬉しいお天気。そのせいか、大文字草が生き生きと咲いているように見えました。
どなたかが「山の花は、その場所に行かないと出会えないから、せっかく山登りをしているのだから山の花の名前を覚えないともったいない」って言っていました。なるほどその通り。改めて山登りの楽しみを教えてくれた『大文字草』でした。
花言葉は『自由』『不調和』アンバランスな花弁だからです。
(2016.8,吉田:文)

花ごよみNo.52  アザミ(薊)

アザミ
アザミは、春から初秋にかけて山や野原、河川敷などいたるところで見かける身近かな花です。
私が、そんなどこにでも咲いているアザミに興味を持ったのは、10年以上前の8月末に千丈が岳に行ったときのこと。北沢峠への道路の路肩で見た大きな、今まで見たことのなかったフジアザミを初めて見たときからです。これはアザミ???
その後、注意して歩いていると、8月から9月ころ丹沢、道志山塊、南アルプス周辺で首を垂れて咲いているややグロテスクとも思われるフジアザミを見かけるようになりました。
アザミ
国内では、約100種類くらいのアザミが存在し、アザミはそれらの総称で、国内で分布しているほとんどが日本の固有種とのこと。ノアザミのように北海道を除く全国に分布しているアザミがある一方、狭い地域のみの固有種も多く、新種発見が今でも多い花だそうです。フジアザミは富士山周辺に咲く地域限定固有種です。
この夏、どこかの山で出会うアザミ、「なーんだ、アザミか」と見過ごさないでよく見てみてください。新種かもしれません。
【アザミ】
・名:アザミ(薊)はキク科アザミ属の総称
・原産地:北半球に広く分布。 日本では100種以上ありほとんどが日本特産。フジアザミのように広域の固有種もあるが、ダイニチアザミ(白馬岳)、チョウカイアザミなどの固有種も多い。大きさはいろいろフジアザミは最大。
・色:赤紫、紫、赤、ピンク、白
・開花期間:3月~10月 ノアザミは春、ノハラアザミ、フジアザミなどは秋。
・その他: 嫌われ者の棘がノルウェー軍から国を守ったとのことでスコットランドの標章と国花である。花言葉は「独立」「報復」「厳格」「触れないで」・・・
アザミの新芽、根主は山菜として山ゴボウなどといわれ食用になっている。
写真:wikipediaより
(2016.7,蔦:文)

花ごよみNo.51  エゴノキ

エゴノキ
低山を歩くと、足元に白い小さな花が、敷き詰めたように、落ちているのにであいます。
上の方に咲いているので見上げるようになります。エゴノキの白い花です。
20代の頃の職場は、東村山市にありました。まだ、武蔵野の面影が残っていました。
タンポポが一面に咲き、エゴノキが白い花をつけている中を、子供達が走りまわっていました。名前にそぐわない可憐な花を、今でも思い出します。
エゴノキ
エゴノキは、落葉小高木で、全国の雑木林に見られます。和名は、果実を口に入れると、喉や舌を刺激して、えぐいことに由来します。
花の形は、5片に深く裂けていますが、大きくは開いていません。落花は、6枚に見えますが、花被片といって、ガクが花弁と同様に花弁状に、なっているそうです。
(2016.6,今岡:文)

花ごよみNo.50  ロドレイア

ロドレイア
昨年、足を骨折し山に行きませんでした。ある時6月の花を頼まれました。珍しい花なんか何処へ行けばいいのかと・・・
ロドレイア
ロドレイア
ロドレイア
私の家のすぐそばにありました。綺麗なかわいい花が。
花名 ロドレイア
別名 シャクナゲモドキ
原産 東南アジアから中国南部
私の好きな花ちんちょうげです。
(2016.5,中村:文)

花ごよみNo.49  ヒメサユリ(姫小百合)

ヒメサユリ
私が「山の会さんかくてん」に入会したのは故郷の山守門岳にのぼりたかったからです。5歳で中国の満州から引き揚げて来て最初に見た山でした。その地は新潟県栃尾です。わずか数年しか過ごさなかったのに、この山を何時までも忘れることのできなかったのです。
東京で暮らすようになって40年近くなりなんとか登れないかと1997年に入会。何度もリクエストしましたが、実現したのは2002年6月15日でした。
ヒメサユリ
栃堀登山口から歩き、ところどころにまだ雪が有り雪の解けた藪の中にこの花は凛と咲いていました。うれしいことに頂上まで続いていたのです。
花の立ち姿は花言葉の通り純潔そのものでした。当時花音痴でピークハントを目的に山を歩いていた私は花には目もくれなかったのに、アルバムの中で美しく咲いています。
その数年後、白山に行った時1本だけ咲いていて「大事に大事に」されているのを見ました。その時私は「守門で沢山見たぞ」と心の中で自慢したのです。
この花は現在、環境省のレッドリストで準絶滅危惧に指定されているそうです。
守門岳にこの花は今でも咲いているのでしょうか。
ヒメサユリ
ところが昨年2015年6月29日福島県会津田島郊外高清水自然公園で群生しているのに出会いました。広報さんかくてんNO.360の表紙になっています。(詳しいことは佐藤達夫さんの山行文を読んでください。)
そこで、この花を守る地元の人たちの努力、その花を見に来てほしいと願う人たちのことを知りました。
(2016.4,深沢:文)

花ごよみNo.48  さくら、桜、櫻、cherry blossoms

サクラ
「花ごよみ」の原稿を書いてほしいとの依頼を受けて、さっそく伊豆の河津に行くことにしました。
それは、「さくら」をテーマにした原稿を書いてみたいと思っていたのと、今を旬とする桜が河津桜だったからです。河津桜は何も河津に行かずとも、私の近所の林試公園にも咲いていますが何故か地元で観賞してみたいと強く思ったからでした。そして、折角のことだから天城山も縦走してこようと旧友に声をかけて、6名で行くことにしました。
サクラ
地球が1公転する間には季節が移ろい、その間には数多くの花々が咲き誇るというのに、桜の花には特別な思いを感じます。桜には死生についての感慨を私たちに呼び起こす、不思議なものがあるようです。私たちはどんなに元気だと思っていても、時には病気もしますし、永遠に若い肉体を保つことはできません。僕は、海や山、風や光、花や水といった大自然が持っている治癒力を薬と捉えて、体調が悪いときにそれを利用し、自分の体の中の自己治癒力を高めて、体調の回復に努めています。桜ふぶきの下をふらりと歩けば生き生きとしてくるのは、この治癒力によるものだと思う。又、山に登って自然を満喫したしたときなどに元気になれるのも、同様のことのように思います。2月初旬からなかなか治らなかった風邪が、この花見山行でウソのように治ってしまいました。桜には多くの種類があり、それぞれに開花時期も異なり、気候も違うことから、沖縄から北海道まで長期間にわたって桜を楽しむことが出来ます。十月桜(10-11月、3-4月の年2回咲く)、寒桜(2月)、ソメイヨシノ(3月下旬-4月初旬)、関山/カンザンorセキヤマ(4月中旬-5月初旬)というように。皆さんは、関山という名の桜を知っていますか。僕の大好きな八重咲きの桜です。
サクラ
(2016.3,関山:文)

花ごよみNo.47  キバナシヤクナゲ(黄花石楠花)

キバナシヤクナゲ
2005年6月19日 朝日旅行会のツアーでトムラウンを登つた時に遭遇し花です。
キバナシヤクナゲ
2日目の期 午前3時半に東大雪荘を出発。すでに外は明るかつた。約20分で登山口に着く 4時に登山開始。新緑のダケカンパホは光を浴びて輝くようえだ。 5時半にカムイ天上に若く。開けた雪の大地でトムラウシが眼前にくつきりと眺められた。6時に林の中で朝食のおにぎりを食べた。その後、前トム平までの2時間半はほとんど雪渓上の歩行となったが 時々ガスがかかり 微風で暑くもなく 寒くもない絡好の登山日和である。コマドリ沢の登りではコマドリの鳴き声を聞きながら 8時半に前トム平に着く。そこには「キバナシャクナゲ」の大群落があり所々にミヤマキンパイやエツツガザクラが咲いていた 現地ガイドが丁寧に紹介してくれた・・・・ (後略)
──当時の山行記よリ──
【キバナシヤクナゲ】高山帯のハイマツ林内や林縁などに生えるツツジ科ツツジ属の常緑木
(2016.2,日比野:文)

花ごよみNo.46  チョウジギク(丁子菊)

チョウジギク
2015年9月21日に、拇海新道を歩くために向かっていた朝日岳の吹上のコル手前の水場付近に咲いていました。見た瞬間「何、この花、見た事ない!」と思いました。今まで見てきた北アルプスの可憐な花達と比べると異彩を放っています。葉は普通ですが、花柄は長く白くふわふわした毛が密生していて、一度見たら忘れられない姿をしています。
チョウジギク
別名のマギク、ウサギギクとは全然似ていません。花の名前が分らず困っていましたが、高橋さんに教えて頂いて助かりました。福島県ではほとんど見られない為、希少種だそうです。
【チョウジギク】キク科ウサギギク属。チョウジギク(丁字菊)は8~10月に咲くキク科の花。低山から亜高山にかけての湿った 草地に生息する多年草。花は筒状花のみからなり、花径1センチくらいで黄色い。総苞( 花序全体を包む葉の変形したもの)は筒状である。
(2016.1,福井:文)

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